20代から増え続け、40代に最も多く発症すると言われている子宮がん。私も先日、子宮がん検診に行きました。おかげさまで異常なしでした!今回、女性として、医療に携わる臨床検査技師として、主に子宮頸がんと子宮がん検診についてお話ししたいと思います。
子宮がんとは
子宮がんの種類
子宮がんには、子宮頸がんと子宮体がんがあります。
これらは、発症の機序も、がんの種類もまったく違います。
ここでは主に、罹患患者が圧倒的に多い子宮頸がんについてお話ししていきたいと思います。
子宮がん患者は、低年齢化しています
日本における子宮頸がん患者の特徴は、罹患年齢が低年齢化していること。乳がん・子宮がん(主に子宮頸がん)といた女性特有のがんは、30代でも発症してもおかしくない年齢と言われています。
特に子宮頚がんに関しては20代後半くらいから発症者が増えていきます。が、子宮頸がんは、定期的に検査を受ければ早期発見により100%完治が可能な病気です。
なので、20代後半くらいから子宮頚がんの検診は年に1度は必ず受けましょう。
子宮がんってどんな病気?
子宮がんは、がん細胞の発生部位によって、子宮頸がんと子宮体がんの2種類に分類されます。
| 病名 | 子宮頸がん | 子宮体がん |
| 発生部位 | 子宮頸部に発生 | 子宮体部に発生 |
| 分類 | 扁平上皮がん | 腺細胞がん |
| 好発年齢 | 40代(近年低年齢化) | 50・60代 |
| 割合 | 子宮がんの約80% | 子宮がんの約20% |
このように、2つのがんはまったく種類が違うものなのです。
しかし、どちらもほうっておけば骨盤、腹部リンパ節などに転移し、やがては全身に転移してしまいます。
※ 近年、子宮頸部の腺細胞がんも増えているようです。
子宮頸がんの原因
子宮頸がんの原因は“ヒトパピローマウィルス(HPV)”の感染と判明しています。HPVは性行為(セックス)によって感染し、性交渉の経験がある女性なら半分以上はこのHPVに感染するとも言われています。
普通、HPVは一過性感染で消失するようですが、持続感染すると子宮頸部の細胞が異形性を起こし、がん化すると言われています。現在では、HPV感染から10年以上の時間を経て細胞ががん化すると言われています。つまり、子宮頸がんのリスクは、発症の10年以上も前から持っているといっても過言ではないのです。
子宮頸がんになりやすい年齢
乳がん同様、40代以降が好発年齢と言われていましたが、冒頭にも述べたように、近年は子宮頸がんの罹患年齢が低年齢化しています。
原因は、セックス経験の低年齢化があげられます。20代後半くらいから、年に一度は細胞診の検査を受けるように心がけましょう。
子宮頸がんの症状
子宮頸がんの症状は性交後出血や不正出血など、生理以外の出血により見つかる場合が多いようです。が、子宮頸がんは、初期は無症状です。そのため、症状に気付いてから病院にかかったのではすでにリンパ節に転移していたり、子宮全摘を余儀なくされたり、最悪の場合、手遅れになる場合も少なくはありません。
「無症状=安心」ではありません。知らず知らずのうちに、がんは進行してしまいます。症状がなくても、定期的に検診を受けましう。
子宮頸がんの検査と予防
どんな検査を受ければいいの?
細胞診検査
子宮頸がんの検査で最も代表的でスタンダードな検査です。
子宮頸部の表面を綿棒のようなもので擦り取り、異形細胞があるかどうかを調べる検査です。異形細胞はその度合いによってクラス分けされ、以下のような診断結果となります。
| クラスⅠ | 正常である。 |
| クラスⅡ | 異形細胞を認めるが良性である。 |
| クラスⅢa | 細胞の異形成を認めるが、がんとは言えない。 |
| クラスⅢb | 細胞の異形成が進んでおりがんに近いものの、 がんとは言い切れない。 |
| クラスⅣ | 細胞の高度異形成を認め、上皮内がんを疑う。 非浸潤の前がん状態。 |
| クラスⅤ | 細胞はがん化しており、浸潤がんを強く疑う。 |
クラスⅣ・Ⅴではがんを強く疑い、子宮頸部の細胞はがん化しているという診断になり、組織診と言って、細胞だけではなく実際に子宮頸部の組織を採取して調べるなど、次の検査やなんらかの治療が必要になります。
が、この段階では早期も早期!適切な治療を受ければ100%完治します。
HPV検査
HPVに感染していないかどうかを調べる検査です。
結果が陽性(HPVに感染している)だと、将来的に子宮頸がんになる可能性がある、ということがわかる検査です。
しかし、陽性=子宮頸がんになる、というわけではありません。HPVが陽性だと、子宮頸がんになる可能性がゼロではない、というだけのことです。実際の子宮がんの検査は細胞診検査となるので、定期的に細胞診の検査を受けましょう。
一般の病院では婦人科で、その他、健診センターなどで行っています。近年では、キットを郵送してもらい、自分で採取して返送して行う自己検査もあります。
子宮頸がんのワクチン接種について
子宮頸がん予防ワクチンは、がん化しやすいタイプのHPV(16型、18型)感染を予防するワクチンです。日本では、2009年10月に一般の医療機関で接種が可能になりました。
対象年齢は対象年齢は2価の「サーバリックス」は10歳以上、4価の「ガーダシル」は9歳以上。上限はありませんが、年齢が若いほど効果があり、効果が期待出来るのは40歳位までと言われています。
ワクチン接種は半年に1回、合計3回の投与が必要です。費用は、医療機関によって異なりますが、だいたい4~5万円前後です。(ただし、多くの自治体で中高生への接種で助成金が出るようです)
しかし、このワクチンは、子宮頸癌そのものを予防するものではありません。子宮頸部の前がん病変やがん細胞を治す効果もなく、あくまでワクチン接種後の16型と18型のHPV感染を防ぐものです。従って、ワクチン接種を行っても、定期的な細胞診検査は必要です。
また、ワクチン接種後に激しい副作用が出たという報告もあり、ニュースでもかなり取り上げらました。ワクチン接種を受けるかどうかは本人あるいは親の判断に委ねられているところも大きいので、よくよく調べ、考えた上で、判断してください。
<注> ・・・ これは、2014年1月の情報で、2019年2月現在も変わりはないようです。今後、どんどん進歩していくと思われますので、ご注意ください。
子宮体がんについて

子宮体がんは、子宮の内膜ががん化する病気で、頸がんとはまったく異なります。女性ホルモンの関係で発生すると言われているものの、まだあまり解明されてはいません。
好発年齢は頸がんよりも高く、閉経をを迎えた50代・60代が多いと言われています。体がんは、頸がんよりもさらに発見が難しいと言われ、手遅れになることも少なくはありません。頸がんも体がんも、症状がなくても定期的に検査を受けて、早期発見をしてもらうことが大事です。それらを知ったうえで、是非とも多くの女性が健診を受けて欲しいと願っています。

